福岡第576回 コロナと情報テーマに講演/日本新聞博物館・尾高館長
西日本政経懇話会の10月福岡例会が29日、福岡市内であった。日本新聞博物館の尾高泉館長(57)=北九州市出身=が「新型コロナと情報とわたしたち」をテーマに講演し、コロナ禍で正しい
情報を見極める力が重要になっていると訴えた=写真。講演要旨は次の通り。
会員制交流サイト(SNS)が急成長する中で起きた感染拡大は、真偽ないまぜの情報が瞬時に拡散する現象を引き起こした。例えば昨年2月に起きた「トイレットペーパーデマ騒動」は、1人がツイッターに投稿したデマを、多くの人やメディアが否定するために取り上げて広がり、店頭で売り切れる事態となった。この場合はデマを無視するのが一番良い方法だった。
今の若い人はネットで検索すらしない傾向にある。SNSは登録者に合わせた情報を届けるので、自分の好みの情報だけに浸って排外主義に陥りがちだ。
情報は命を守る。真偽を見極める力を育てるため、家庭や職場など地域に、確かな情報に基づいて議論する場をつくってほしい。
(川口安子)
2021年(令和3年)10月30日