西日本政経懇話会

筑豊第605回 人に投資し組織力向上 西日本政懇2月例会 高見氏講演「いい組織がいい地域つくる」

筑豊 高見真智子.jpg 西日本政経懇話会2月例会が12日、飯塚市であり、人事コンサルティング会社「サイズラーニング」(福岡市)代表取締役で、組織・人材開発に従事してきた高見真智子氏が「人と経営~2つの潮流 人的資本経営とビジネスと人権~」と題して講演した。要旨は次の通り。
 人的資本経営とは、人こそが組織における価値を生み出す源泉であると捉え、組織が戦略的に人材に投資することで価値を最大限に引き出し、事業の成長や組織の価値向上を実現する経営のこと。教育や研修をするだけでなく、働く人の心身の健康や幸福にも目を向けて投資する考え方だ。
 人的資本の重要なキーワードは「多様性」。人的資本が充実し、組織力が上がっている企業は、他にはない人材の独自性を持っている。そうなるためには、管理職がプロスポーツチームの監督のように、一人一人の才能を見抜き、強みを伸ばす機会を与えていく意識が必要だ。働く一人一人も受け身ではなく、自身がどう成長し、職場への貢献度を上げていくかを考え、実践することが重要になる。
 若者が地方から流出するのは、都会が華やかだからではない。生き方の選択肢が増えるからだ。人への投資がいい組織をつくり、いい地域をつくっていく。この価値観を地域全体で共有することが、少子化や労働力減少といった問題の改善につながる好循環をもたらすだろう。 (吉田真紀)

2025年(令和7年)02月13日(木)

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