西日本政経懇話会２月例会が８日、福岡市であり、昭和大医学部客員教授の二木芳人氏（臨床感染症学）が「新型コロナウイルス感染症終息へのシナリオ」と題して講演した＝写真。要旨は次の通り。
　オミクロン株は死亡リスクの低さが特徴にあるが、感染爆発に伴い重症者と死亡者も増え始めている。特に高齢者は感染により基礎疾患が悪化し、重症化につながる。３回目接種が進んだ英国では感染者が急激に減り、日本で第５波が急速に収まった背景にもワクチン接種率の向上が考えられる。日本でも高齢者の３回目接種を急ぐ必要がある。
　国内の１月の検査数は急増したが、先進国に比べてまだ少ない。日本のピークアウトは今週中、遅くても来週中の可能性があるが、感染拡大を抑制するためにも、検査を拡充して無症状者や軽症者を見つけていくことが重要だ。
　ウイルスはさらなる変異が繰り返され、今後も感染の波を経験するだろう。マスクの着用法など基本的な対策から見直してもらいたい。国も変異株の動向には常に監視を向け、水際対策やワクチン改良など先手を打つ姿勢が重要だ。　（小林稔子）

2022年(令和4年)02月09日