西日本政経懇話会

筑豊第609回 「災害 求められる自助力」 危機管理教育研究所代表、国崎さん 政経懇話会

筑豊 国崎.jpg 西日本政経懇話会の6月例会が19日、飯塚市であり、危機管理教育研究所(東京)代表で危機管理アドバイザーの国崎信江氏が「自然災害から職場、地域を守る」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 梅雨明けかと思うほど暑い日が続いている。こういうときは積乱雲に注意してほしい。筑豊地区は、湿った西風が入ってきて、大気中の水蒸気量が高くなったときに積乱雲が発達しやすい。
 積乱雲は、短時間で滝のような大雨を降らせる。いつ、どこで発生するか分からない。積乱雲が連なれば、線状降水帯が発生する。「大気の状態が不安定」という気象情報を聞いたら、その日は、山裾を車で走らないようにし、窓際で働いている人は竜巻や突風の発生に注意してほしい。
 今年は阪神大震災から30年。熊本地震、能登半島地震…。建物の脆弱(ぜいじゃく)性で命が奪われている。自分の家など建物の耐震化や、職場での災害への備えも進めてほしい。それぞれが自分に合った備蓄を会社に置いてもらいたい。災害時にやるべきことを順番に書いたカードを箱に入れておけば、その場にいる人が誰でも災害対応できる。
 日本の出生数は減少してきている。警察、消防、自衛隊も人手不足に悩んでいる。だからこそ「自助力」が求められる。災害時に助けが来ないかもしれないという覚悟を持って、備えてほしい。 (中山雄介)

2025年(令和7年)06月21日(土)

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