西日本政経懇話会

福岡第599回 首相は「自分のための政治」/政治ジャーナリストの青山氏

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 西日本政経懇話会11月例会が9日、福岡市であり、政治ジャーナリスト青山和弘氏が「岸田総理は長期政権を築けるのか」と題し講演した=写真。要旨は次の通り。
 来年秋の総裁選で2期目を目指す岸田文雄首相が、コロナ5類移行や広島サミット直後の好条件がそろった6月の衆院解散を検討したのは間違いない。9月解散も描いたが、あがくほど泥沼にはまった。内閣改造や旧統一教会の解散命令請求でも支持率は伸びず、10月の衆参補選はピンチに。投開票直前に減税策を持ち出したが支持率は最低となった。「自分のための政治」と見透かされている。
 来年は中国の景気悪化予測や台湾総統選もあり情勢が不透明なため、首相は年内選挙をなお模索したが、日程的に厳しく霞が関も混乱した。9日朝に一部報道があった「年内解散見送り」は、官邸から「書いて良い」と許可が出たのだろう。どこかで「店じまい」する必要があった。
 ポスト岸田のダークホースは安倍派も非主流派も推せる加藤勝信前官房長官らだろう。年明け以降、自民党内の政局が表面化するほど政権のレームダック(死に体)化が進む。首相はそれを防ごうとどこかで解散を打とうとするはずだ。 (前田倫之)

2023年(令和5年)11月10日(金)

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