北九州532回 「トランプのための首脳会談」/笹川平和財団、渡部上席研究員
西日本政経懇話会の6月例会が12日、小倉北区のホテルであり、笹川平和財団の渡部恒雄上席研究員が「北朝鮮・イラン問題で迷走するトランプ政権と日本」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
米国のトランプ大統領を一言で表現すると「自分ファースト」。12日に米朝首脳会談が実現したのは、東アジアの安全保障のためでは決してない。内政的に、米大統領選干渉疑惑「ロシアゲート」で弾劾裁判にかけられる恐れなどの問題を抱えており、そこから目を背けてほしいだけだ。
ただ、だからこそ北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に会う決断をし、歴史が動く可能性はある。非核化がまっすぐにうまくいくとは思えないが、しばらくは緊張緩和のプロセスが進むはずだ。トランプ氏は「すごい大統領」と国内外から言われ、ノーベル平和賞の受賞で国内の批判を交わすことを考えている。 (竹次稔)
2018年6月13日