西日本政経懇話会

久留米600回 「格差社会解決へ議論を」/共同通信社の会田客員論説委員

久留米 会田.jpg 西日本政経懇話会の11月例会が14日、久留米市であり、共同通信社客員論説委員の会田弘継氏が「トランプ現象はどうなるか~米大統領選後の日米関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 米大統領選で共和党のトランプ氏が勝利した。「トランプ氏が出てきて民主主義が壊れた」と言われるが、民主主義が壊れた結果出てきたのがトランプ氏だ。
 トランプ氏の支持者は、米国の繁栄とは無縁で阻害されてきた地域の住民だ。共和党は金持ちの資本家のための党、民主党は貧困層のための党と思われているが、全く逆だ。実はハリス氏には大企業などが莫大(ばくだい)な選挙資金を出している。
 (経済学者トマ・ピケティ氏らの研究所が公表する)世界不平等データベースによると、米国の上位1%の富裕層が同国の個人資産総額の4割近くを所有する。中産階級が壊滅したら米国の民主主義は成り立たない。リーマン・ショック後、米国では金持ちのみが富む政策しか打たなかった。
 日本でも格差社会化が進んでおり、若年層は格差に苦しんでいる。世界の政治を混乱させる格差社会をどう解決するのか、各国での議論が必要だ。 (岡部由佳里)

2024年(令和6年)11月15日(金)

これまでの記事一覧