西日本政経懇話会

北九州第561回 「原子力 発電以外の利用も」/九大院・藤本教授

西日本政経懇話会の4月例会が21日、小倉北区であり、九州大大学院の藤本望教授(原子炉工学)が「エネルギー、環境と我々(われわれ)の生活の過去、現在、将来」と題し、講演した。

北九州 藤本望.jpg

要旨は次の通り。
 われわれの生活は大量のエネルギー消費の上に成り立っている。20世紀の間に日本の人口は3倍、世界は4倍になった。さらに人口が増えれば、エネルギー消費も増えるだろう。
 エネルギー消費が増えれば、二酸化炭素(CO2)の排出量も増える。中でも発電による排出は4割を占め、世界中で化石燃料からの脱却を目指す動きが本格化している。日本も2050年に温室効果ガスを実質ゼロにすると宣言した。
 ただ、太陽光や風力など再生可能エネルギーの主力電源化は容易ではない。石炭や石油、天然ガス、原子力に比べて発電効率が悪い。自然現象に依存しているため、必要な時に発電できないという課題もある。
 原子力を発電以外の水素製造などに利用し、その水素を燃料電池などに活用すればCO2削減に貢献できると思う。脱炭素は地球環境の保全に不可欠だが、経済成長も人類の幸福に欠かせない。その両立には化石燃料だからと排除せず、あらゆる対策を取る必要がある。 (岩谷瞬)

2021年(令和3年)04月22日

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