久留米第584回 「広島サミット 満点以上の成功」/共同通信永井氏が講演
西日本政経懇話会5月例会が23日、久留米市であり、
共同通信社論説委員長の永井利治氏が「岸田政権と経済・金融政策」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
岸田文雄首相にとって、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は満点以上の成功に終わった。核禁止に踏み込まず、足りない点もあったが、各国首脳を原爆資料館に招くなどヒロシマと向き合う場を設定したのは一つの功績だ。ウクライナのゼレンスキー大統領も来日し、満足できる国際会議だったのではないか。
広島サミットで内閣支持率は上昇基調にあり、日経平均株価も3万円台を回復した。米国の金融不安で、世界の投資家が日本経済を評価している。株高は政権を安定させ、岸田政権の信頼回復を支えている。
こうした中、首相が解散時期をどう描くか。メインシナリオは秋だろう。年末には予算編成や税制改正を控える。防衛費増額に伴う増税を決める力を蓄えるには秋がいい。ただ、永田町は6月の早期解散論で持ちきりだ。「今、解散は考えていない」と語る首相の目力の強さを見ると、(早期解散へ)盛り上がっている気もする。(山下真)
2023年(令和5年)05月24日(水)