北九州第584回 技術革新で犯罪も変化/最高検察庁参与・服藤恵三氏
西日本政経懇話会5月例会が18日、小倉北区の
JR九州ステーションホテル小倉であった。医学博士で最高検察庁参与の服藤(はらふじ)恵三氏が「科学捜査と捜査支援~回顧と展望」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
技術革新が進む中、犯罪も変化している。犯罪が発生した後に対応するのでは間に合わない。先んじて新規技術を吸収し、犯罪を予測しないといけない時代になっている。官民一体となって常にやりとりをしないと、犯罪の形態によってはお手上げの状態が増えていくと思う。
専門は薬毒物。警視庁科学捜査研究所時代には、地下鉄サリン事件が発生し、捜査に関わった。一連のオウム事件は、日本の警察が科学捜査の必要性を感じる大きなきっかけとなった。
情報や技術、科学を利用した捜査支援を確立。画像解析装置や犯罪手口、犯罪統計などの関連情報を地図上で解析できるシステムの開発などを主導した。
インターネットが登場した時と同じような「技術革命」が起きようとしている。捜査側も新しい技術を日頃から勉強し、犯罪に立ち向かっていかなければならない。 (上田泰成)
2023年(令和5年)05月19日(金)