筑豊504回 拉致問題「首相が直談判を」/ジャーナリスト辺真一氏
西日本政経懇話会10月例会が21日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブキであり、朝鮮半島専門誌「コリア・レポート」編集長の辺真一(ピョンジンイル)氏が「朝鮮情勢と拉致問題」と題して講演した。要旨は次の通り。
北朝鮮は昨年9月、日本人拉致被害者らの再調査について「2015年9月までに報告する」と政府に約束した。だが、報告はまだない。「北朝鮮はふざけている」という人もいる。私は北朝鮮が遅らせているのではなく、日本が受け取ろうとしないというのが正直なところだと思う。
北朝鮮は早く調査報告を終え、日本に経済制裁を解除してほしいと考えているはずだ。政府は調査内容が芳しくないとの感触を得ているため受け取りたくないのではないか。
政府は北朝鮮に科学的、客観的な調査を求めている。立証は難しいため日本と北朝鮮は延々と綱引きを続けている。北朝鮮は、うそ偽りのない誠実な調査結果を提出すべきだ。
今回の再調査で拉致被害者を助けられなかったら、事態は厳しくなる。安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記と直談判し、拉致問題の解決と過去の清算を求めてはどうか。