西日本政経懇話会

筑豊第584回 賃上げは付加価値生み出すため/ニッセイ基礎研究所の矢嶋氏講演

西日本政経懇話会3月例会が15日、飯塚市内であり、ニッセイ基礎研究所の

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矢嶋康次チーフエコノミストが「なぜ今、賃上げなのか~日本経済の現状と展望~」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 これからの企業経営は、「インフレ(物価上昇)が今後も続く」と経営者が考えるかどうかがポイントだ。私は「続く」と思う。経営者も「続く」と判断するなら、今までのやり方では経営は難しいだろう。

 (エネルギー価格の上昇などで)生産費が上がり、今以上のコスト削減が難しい中、利益を確保するには、生産性を高めるしかない。新商品の開発などで付加価値を生み出すことが重要で、そのためには新しいアイデアが必要。それは、人からしか生まれない。だからこそ、人的投資である「賃上げ」が必要になる。
 インフレが長く続くと考える最大の要因は「分断」にある。日本は貿易によって世界各国から最適な調達ができ、生産費を安く抑えて製造するというグローバル化の恩恵を受けてきた。だが、米中対立の激化によって、世界で(半導体など)企業の供給網が分断され、調達すらできない、という事態が起きようとしている。
 生産性を高めるには、デジタル化への対応も重要だ。(インターネットで)消費者は購入先を幅広く選べるようになった。日本企業は製品やサービスの質が高く、活躍の場が広がるはずだ。(坂井彰太)

2023年(令和5年)03月16日(木)

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