西日本政経懇話会

北九州499回「日常のあり方 歴史から学んで」/博多の歴女、白駒さん講演

白駒妃登美北九州 西日本政経懇話会の6月例会が11日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、「博多の歴女」として講演活動などをしている白駒妃登美さんが「歴史から学ぶ 人生のヒントと絆」をテーマに講演した=写真。要旨は次の通り。

 筑後地方の戦国武将立花宗茂は関ケ原の戦いで西軍に加担し、領地を没収されたが、後に徳川家に尽くし、元の領地を返してもらえた。なぜ、負けたのに運が良いのか。美しい生き方を目指したからではないか。

 多くの大名が没落していった中で、立花家は栄え続けた。一度もお家騒動がなかったからだ。当主が100パーセント跡継ぎを信頼し、家臣に疑念を抱かせなかった。これは企業の永続にもつながるのではないか。

 多くの経営者は「決断力」「情報収集力」を理由に好きな歴史上の人物として織田信長を挙げる。私は、桶狭間の戦いにおいて信長が成功した理由は、リーダーとして領民に支持されたことにあると思う。歴史の華やかな部分だけでなく、それを支える日常生活のあり方を学ぶべきだ。

 日本人のおもてなしやものづくりは、見えないところにも心を尽くす。戦後70年間、置き去りにしてきた日本の大切なものを取り戻したときに、かつての技術立国日本を取り戻せるのではないだろうか。

=2015/5/27 西日本新聞=

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