西日本政経懇話会

筑豊516回 主張今後穏便化も/西日本政懇で加藤氏講演

311491b15fc2e257d9b6627ffc158450b76521c4.jpg 西日本政経懇話会11月例会が16日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブキで開かれた。東京財団研究理事で国際大教授の加藤創太氏が「米国大統領選挙後の政治経済の動き」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 アメリカの次期大統領に実業家のドナルド・トランプ氏が選ばれた。ヒラリー・クリントン氏を予想する声が多かったが、背景にあるのはポピュリズムとアメリカの利益を最優先する反グローバリズムだ。

 ポピュリズムは大衆迎合主義とも訳され、民衆の力でエリート層や既得権層をたたくという考え方。彼を支持するのは所得の低い白人層であり、その点でポピュリズム本来の姿に近かった。ただ選挙対策の面もあり、今後主張は穏便化することも考えられる。

 トランプ現象に民主主義の危機を指摘する声もあるが、過去の大統領選を見れば別の側面が見えてくる。有権者は投票直前の経済状況が良ければ与党候補に入れるし、景気が悪ければ野党候補に入れる。今回もその傾向は変わらなかった。

 トランプ氏は合理的な経営者であり、国家を企業、有権者を株主と考えるビジネスマンだ。何事も交渉次第だが、環太平洋連携協定(TPP)の批准は考えられない。ロシアや中国との関係は改善する可能性があり、日本にとってプラスにもマイナスにも働く。

 (糸山信)

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