西日本政経懇話会

福岡556回「昭和史分析 長期的な視点で」/保阪正康氏が講演/

 西日本政経懇話会の福岡例会が9日、福岡市中央区天神保阪 .jpgのエルガーラホールであり、ノンフィクション作家の保阪正康氏が「昭和史はいかに歴史になっていくか~平成から令和の代がわりに考える」をテーマに講演した=写真。

 保阪氏は、天皇が陸海軍を統帥するとされた大日本帝国憲法は、1930年のロンドン軍縮会議で海軍が「統帥権干犯」を持ち出したときに「死んだ」と説明。「日本は軍事をどうするか憲法と絡めてきちんと論じたことがない。それは現在も同じだ」と指摘した。

 特攻や、捕虜になることを禁じた戦陣訓にも触れ、「近代化を急いだ日本は慌てて欧米の戦争の技術を学び、そこに日本的な道徳を便宜的にくっつけて戦争をした。なぜあんな戦争をしたのか、なぜ近代以前の良い面が消えたのか。もっと長期的な視点で昭和史を見る必要がある」と述べた。 (久知邦)

2019年09月10日

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