久留米第607回 「災害乗り越える自助力を」 危機管理アドバイザーの国崎さん/政経懇話会
西日本政経懇話会6月例会が18日、久留米市内であり、危機管理アドバイザーの国崎信江氏が「自然災害から職場、地域を守る」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
久留米市は毎年のように豪雨に見舞われている。筑後川流域は山に囲まれ、西側が開放されており、暖かい西風が入ると、積乱雲が連なる線状降水帯が発生しやすい。積乱雲は短時間で滝のような雨を降らせる。
「大気の状態が不安定」との予報が出れば、積乱雲が発生するかもしれない状態。会社に担当を置き、気象情報や空の様子をまめに見てほしい。発生の前兆があれば、建物に避難し、地下から上階に移るよう社員に指示してほしい。少子化で警察や消防、自衛隊の人材獲得が厳しくなると予測される中で、自分たちで災害を乗り越えていく「自助力」をつけないといけない。
地震では建物の脆弱性で多くの命が奪われてきた。建物が倒れ、がれきが道路をふさいで、逃げる人を阻み、救助にも消火にもこない。建物の耐震化に力を注いでほしい。
職場では何ができるのか。キャビネットを壁に固定してほしい。備蓄は、社員が自分に合ったものを会社に置いてもらいたい。災害時にやるべきことを順番に書いたカードを箱に入れておけば、その場にいる人が誰でも災害対応できる。(入江剛史)
2025年(令和7年)06月21日(土)