福岡512回 英国、豪州と連携強化を/元外交官の宮家氏
西日本政経懇話会の福岡例会が26日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、元外交官の宮家邦彦・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹が「東アジアの地政学と日本外交」と題して講演した。
宮家氏は、中国が南シナ海の岩礁を埋め立てて滑走路を建設している問題について「あれはアウト。米国も絶対に認めない」と明言。週内にも、中国が「領海」と主張する周辺海域に、米海軍が艦艇を派遣するとの見方を示した。
東西冷戦の終了で、緊張による「安定」が崩壊して、世界中で「民族主義」が復活。米国の影響力が相対的に低下する中、軍事力を強めて勢力拡大を目指す中国やロシアに対抗するため、日本は「英国やオーストラリア、シンガポールなどの海洋国家と連携を強め、シーレーン(海上交通路)確保に努めるべきだ」と述べた。