久留米第572回 「正しい憂い持ち備えを」/元警視総監の高橋氏が講演
西日本政経懇話会4月例会が12日、久留米市であり、日本製鉄顧問で元警視総監の高橋清孝氏が「日本の危機管理の現状と今後の課題」と題し講演した。警備部門が長く、内閣危機管理監
として2018年の西日本豪雨や北海道地震に対応した。要旨は次の通り。
人は自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりすることがある。これを「正常性バイアス」と呼ぶ。一方、東日本大震災で「釜石の奇跡」と言われ、ほとんどの小中学生が津波から避難できた岩手県釜石市では、想定にとらわれない防災教育を続けていた。正しい憂いを持って備える必要がある。
危機が発生した場合、被害を最小化するためにも、事実確認が最優先となる。第一報は正確ではない。大きく構え、早く全体像をつかむ。意思決定は「巧遅よりも拙速」が大事だ。 (木村知寛)
2022年(令和4年)04月13日