北九州495回 「乱世の視点楽しんで」 作家・和田竜氏が講演
西日本政経懇話会の2月例会が27日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、作家の和田竜氏が対談形式で「『村上海賊の娘』に学ぶ、戦国時代の破天荒なリーダーと果敢な女性」の演題で話をした=写真。要旨は次の通り。
「村上海賊の娘」は戦国時代、海賊王と呼ばれた村上武吉の娘が戦闘に臨む話だ。この物語は、尋常じゃない熱意のある人がいる組織は、集団としてパワーを発揮するということをテーマにしている。
戦国時代の人と現代人との感覚の違いを体感できたらおもしろいと思い、作品を書いている。江戸時代は武士がサラリーマン化し、現代人っぽくなる。戦国時代は人間らしい躍動感があり、自由があった。男に対して言いたい放題だった女性も多い。乱世の人たちを現代の人に知ってもらうことで、視点を変えるきっかけになれば楽しいと思う。
戦国時代を勝ち抜いたのは、現実的に勝ち馬に乗った家。ただ、そういう人は記録には残るが、心には残らない。心に残るのは、男らしさや爽やかさのある人。最終的に問われるのは、どう生きたいかということだ。僕はそういうことを重視している。(岡部由佳里)
=2015/2/28 西日本新聞=