福岡第560回中東派遣の必要性強調 西日本政懇 中谷元防衛相が講演
西日本新聞政経懇話会の福岡例会が14日、福岡市・天神のエルガーラホールであった。講演した元防衛相の中谷元衆院議員は、緊迫化する中東情勢などを分析し、「船舶の安全については日本が責任を持たなければならない」と述べ、海上自衛隊の中東派遣の必要性を強調した=写真。
イランによるウクライナ旅客機の撃墜事件に触れて、「不確実な事実に基づき、想定を超える紛争や事件事故が起きていく」可能性に言及。交通の複雑化などが偶発的な事案を誘発しうると持論を展開した。
中東で日本の船舶がトラブルに巻き込まれる恐れも指摘し、情報収集などが目的の自衛隊派遣の経緯や法的位置付けを説明した。中谷氏は、自衛隊の目の前で外国船舶が何者かに襲われても対処できないとし、「指揮官は悩むのではないか。法律の研究、検討が必要だ」と述べた。
中国や北朝鮮などの軍拡を踏まえ「自分の国は自分で守る法律体系や装備を整えるなど、新時代に向けて自衛隊の在り方をしっかり考えるべき」と、改憲して9条に自衛隊を明記することを改めて主張した。
(大坪拓也)
2020年(令和2年)01月15日(水)