西日本政経懇話会

久留米511回 戦国武将に経営学べ/小和田氏が講演

45d611635357a48b75505c3bc301a77881b945d2.jpg 西日本政経懇話会の久留米例会が21日、久留米市であり、静岡大名誉教授の小和田哲男氏が「戦国武将に学ぶ経営戦略」のテーマで講演した=写真。要旨は次の通り。

 失敗の経験を生かした武将は多い。羽柴秀吉は小さな城だった三木城(兵庫県三木市)の攻略に2年近くかかった。戦いの当初に敵の兵糧を押さえなかったことが長期戦を許した。この経験から、その後の戦いでは周辺の兵糧を買い占めるなど失敗から学んだ。

 部下をどういう観点から評価するか。織田信長の名を天下にとどろかせた桶狭間の戦い。信長が最も評価したのは、今川義元軍の移動ルートや義元が輿(こし)に乗っていることを調べた家臣だった。単に武勲だけではない、情報を重視したリーダーの姿が見える。

 放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」で描かれる真田親子もそうだ。小大名ながら情報を駆使し、生き残りを果たした。家臣の意見にいかに耳を傾けるか。武田信玄は周囲をイエスマンで固めることを戒める発言をしている。400年の隔たりがあるが、人間のすることに大きな差はない。戦国武将の姿を事業展開に役立ててほしい。 (中野剛史)

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