筑豊第578回 「円安、年内ピークアウト」/経済アナリスト永浜氏講演
西日本政経懇話会9月例会が12日、飯塚市であり、第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト永浜利広氏が「コロナ禍の経済への影響と今後の展望」と題して講演した=写真。
要旨は次の通り。
現在の世界経済の減速懸念は新型コロナウイルス禍というよりも、ロシアのウクライナ侵攻による影響が大きい。エネルギーや穀物価格を高騰させたからだ。こうした中、日本の足元の景気動向を考える上では、急激に進む円安がどの程度続くのかがポイント。私は早ければ9月、遅くても年内にピークアウト(頭打ち)するとみている。
円安が進む背景は、インフレ(物価上昇)に歯止めをかけようと、米国が積極的に進める利上げが続くことへの警戒感。日銀が金融緩和を続けてきたことにも要因がある。
しかし、エネルギーや穀物価格は足元で下がり始めている。今後インフレ率は落ち着く可能性が高い。
日本は伸びしろがある。景気の落ち込みは、外国人の入国規制など新型コロナを受けた行動制限などによる影響が大きく、緩和後は、景気がコロナ前の水準に戻る可能性があるからだ。
懸念されるのは、米国がインフレを抑えられず、利上げによって景気を腰折れさせてしまうこと。日本経済に大きく影響するため、注視する必要がある。
(坂井彰太)
2022年(令和4年)09月13日