西日本政経懇話会

筑豊第555回 過去の雨量との比較が重要/気象予報士の蔵田英之氏が講演

西日本政経懇話会8月例会が28日、飯塚市で開かれ、日本気象協会九州支社長で気象予報士の蔵田英之氏が「これから起こ筑豊 蔵田.jpgる出来事を捉える~気象情報活用による危機管理からビジネス拡大まで」と題して講演した。要旨は次の通り。
 近年は毎年のように豪雨災害が起きている。今年7月には、線状降水帯の発生で球磨川や筑後川流域に甚大な被害をもたらした。一方、同じくらいの雨が降った鹿児島や高知などでは球磨川のような災害は起こっていない。重要なのは、過去にその地域で観測した雨量の最大値を比較すること。河川整備を進める際の基準「計画降雨」が各地域で異なり、これを超えると川や堤防がもたない。
 気象データは1日に、新聞で言えば1万1千年分を取り扱う。他分野のデータとの親和性が高いため、協会では、気温差で食品需要を予測し、食品ロスの削減に役立てている。また、大雪や台風が高速道路や鉄道にもたらす影響を予測し、物流輸送のリスクの分析に活用。ビジネスの拡大につなげている。 (丸田みずほ)

2020年(令和2年)08月29日

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