久留米第555回 「菅首相、今国会が試金石」/岩井教授が講演
西日本政経懇話会の10月例会が27日、久留米市であり、日本大法学部教授の岩井奉信氏が「コロナ禍と菅政権の行方」と題して講演した。要旨は次の通り。
菅義偉首相の所信表明演説は個別の政策をずらりと並べ、実務的な内容が中心だった。安倍前首相がスローガンを掲げて夢を語ったのとは対照的。無派閥で政権基盤が弱いため、安全運転でのスタートとなった。
ただ、菅政権の成長戦略会議の顔ぶれを見ると、竹中平蔵氏ら小泉政権に近い人たちが多い。国家が主導権を握って経済を伸ばしていく安倍路線から、新自由主義的な小泉路線に大きく転換するのではないか。
日本学術会議の会員任命拒否問題で、菅首相はたたき上げの割に心が狭いと思われた。支持率が下げのスパイラルに入るかどうかの試金石が今国会だ。野党の攻めに、総理としてどう対応するかが注目される。
(浜田耕治)
2020年(令和2年)10月28日