西日本政経懇話会９月例会が１３日、福岡市であり、九州大発のベンチャー企業「ＨＩＲＯＴＳＵバイオサイエンス」（東京）の福岡Ｒ＆Ｄセンター長、畠山英之氏が「線虫でがんを早期発見！」と題して講演した＝写真。要旨は次の通り。

　日本人の２人に１人はがんになるとされるが、がん検診の受診率は低く、米国の半分ほどにとどまる。手軽にがんの有無を調べる手法として、線虫の嗅覚を利用した「Ｎ―ＮＯＳＥ（エヌノーズ）」を実用化した。

　臨床研究で線虫が１５種類のがん患者の尿に反応することを確認した。ただ、エヌノーズは医療行為ではなく、医師の診断との併用が前提。がんは進行が早く、検査の「入り口」として早期発見につなげたい。当製品は現在１５００社以上が導入しており、企業の福利厚生にも活用してほしい。　（白波宏野）

2023年(令和5年)09月14日(木)