北九州第587回 線虫でがんリスク検査/ 九大発ベンチャー企業、畠山氏が講演
西日本政経懇話会9月例会が7日、北九州市であり、九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」の福岡R&Dセンター長、畠山英之氏が「線虫でがんを早期発見!がんリスク検査『N―NOSE』」と題して講演した=写真。要旨は以下の通り。
がんは、早期発見できれば生存率は高まる。そこで当社は、気軽にがんの有無を調べる方法として2020年、世界で初めて線虫のにおいを嗅ぎ取る能力を使った「N―NOSE」を実用化した。
線虫は、人間の数百万~1億倍とされる犬と同等の嗅覚がある。がん患者の尿に含まれる特定のにおいに反応し、超早期のがんも高精度に検出できる。
ただし、「N―NOSE」は医療診断ではなく、がんリスクを知る一つの指標。定期的なヘルスチェックに使ってもらい、自己判断でがん検診を受けるきっかけにしてほしい。
がんは日本人の2人に1人がかかる非常に身近な病気。「N―NOSE」が自分の健康と向き合い行動を変えるきっかけになれば、という思いで研究開発を続けていく。
(古川努)
2023年(令和5年)09月08日(金)