西日本政経懇話会

福岡第594回 共同通信論説委員長 永井氏が講演/ 「年内解散」

 西日本政経懇話会5月例会が24日、福岡市・天神のソラリア

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西鉄ホテル福岡であり、共同通信社論説委員長の永井利治氏が「岸田政権と経済・金融政策」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 岸田文雄政権は、21日に閉幕した先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を満点以上の成功と捉えており、内閣支持率は大幅に上がった。株高基調も政権の追い風になっており、衆院解散戦略をどう描くかが次の焦点となる。
 ポイントは、首相が再選を狙う来年9月の自民党総裁選だ。総選挙の時期と離れるほど党内が浮足立ちにくく、再選されやすい。自民幹部は「今年中」と話しており、来月が会期末の今国会か、秋の臨時国会か。広島サミットの成功で来月の可能性も上がりはしたが、情勢判断には選挙区ごとの詳しい調査が必要で、私は今秋が有力とみる。

 もう一つ注目したいのは植田和男新総裁による日銀が長期金利操作をいつ修正するかだ。植田氏は消費者物価上昇率2%の目標を堅持しており、今年の修正には慎重な姿勢がみえる。米金融不安が世界的に広がる懸念も大きい。植田氏が直面する課題は岸田政権にも直結する。ロシア制裁などで分断された世界経済の流れで、日本経済をどう活性化するか。岸田政権の役割は大きい。 (川口安子)

2023年(令和5年)05月25日(木)

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