西日本政経懇話会

北九州第571回 韓国大統領選 若者が勝敗決した/静岡県立大 奥薗氏が講演

 西日本政経懇話会3月例会が17日、小倉北区であり静岡県立大の奥薗秀樹教授(韓国政治外交)が「韓国大統領選挙と新政権下の日韓関係」と題し講演した=写真。要旨は以下の通り。
北九州 奥薗秀樹.jpg 韓国政治は出身地域や「保守対進歩」の理念を軸に二つの対立勢力が衝突を繰り返してきた。だが今回は浮動層である20~30代の若者が、生活に直結する政策を重視した。若者の高い失業率や政治家のスキャンダルで不信感が募っていた。
 勝敗の鍵となった若者の中でも、男女間で投票傾向に差が出た。近年の女性優位の政策に男性の不満は大きく、勝利した尹錫悦(ユンソンニョル)氏は男性に焦点を当てた。(対立候補を)10ポイント近く引き離すとの予測もあったが、結果はわずか0・7ポイント差。若い女性の影響力が現れた。
 日韓関係は国交正常化以降、今が一番深刻な状態だ。尹氏陣営には親日派も多いとされるが、国会は文在寅(ムンジェイン)政権下での与党が6割を占めている。日韓両国とも、世論の反発を覚悟した上で現状を打開するための決断をすべきだ。 (白波宏野)

2022年(令和4年)03月18日

これまでの記事一覧