筑豊 499回 自治体は発想転換を 中央学院大福嶋氏 西日本政懇で講演
西日本政経懇話会4月例会が9日、飯塚市のパドドゥ・ル・コトブキであり、元千葉県我孫子市長で中央学院大教授の福嶋浩彦氏が「人口減少社会における自治体経営」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
地方自治は住民一人一人が何を望むかから始まる。みんなで話し合って合意形成するのが地方自治だ。
今回の統一地方選では、避けられぬ人口減少の中、それでも幸せに暮らせる仕組みをどうつくるかが問われている。財政は厳しい。行政サービスを縮小しつつ質を上げる必要がある。文化ホールなどの公共施設は周辺市町村と共有すべきだ。自治体運営の発想を転換しないといけない。
人口減少社会では本当に必要な事業に絞らないと質が高まらない。新しい価値観の創造には既得権に切り込む必要がある。私は市長時代に補助金をいったん全て廃止し、公募した市民の審査で一から決め直した。住民の意思で税金の使い方を決めるのが民主主義だ。
民間委託については、行政が委託したい事業と民間がやりたい事業は違う。私は、市の全事業を対象にして、民間の事業提案を受け付けた。質のよいサービスにつなげるためだ。自治体と民間の連携を根本から見直すことも求められる。
=2015/4/10西日本新聞=