西日本政経懇話会

北九州第607回 家族の介護、適度な距離を 西日本政懇 NPO代表川内氏が講演

北九州 川内.jpg 西日本政経懇話会6月例会が12日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、NPO法人「となりのかいご」(神奈川県厚木市)の川内潤代表が「親不孝介護で離職を防ぐ!~経営者・自治体が取り組むべきこととは?」の題で講演した。要旨は次の通り。
 総務省の調査によると、介護を理由に離職する人は年間10万人に上る。一方、勤務先に介護の相談をする人は2割に満たない。会社側は支援策として、従業員に介護の相談を促すのが大切で、状況を定期的に確認してほしい。
 となりのかいごが実施した意識調査では「介護を自分で行うことが親孝行になる」「親や配偶者が認知症になれば家族がそばにいるべき」と考える人は、いずれも6割を超える。このような意識があるため、仕事と介護の両立が難しくなっていると考える。
 家族が過度に安全安心を目指し、頻繁にトイレに付き添うなどの介護をすると、むしろ高齢者の尊厳や生活を制限することにつながりかねない。地域包括支援センターに相談して介護サービスをうまく利用し、要介護者と適度な距離を持つことが必要だ。 (梅本邦明)

2025年(令和7年)06月14日(土)

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