西日本政経懇話会

筑豊第562回 「自己責任の意味変質」/藤田・久留米大教授が講演

西日本政経懇話会3月例会が18日、飯塚市であり、久留米大教授の藤田氏が

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「現代を読み解くキーワード」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 ここ10~15年にメディアをにぎわすようになったキーワード「同調圧力」「忖度(そんたく)」「自己責任」「自助」の源流には、現代の「お利口さん社会」化がある。
 西日本新聞の記者として北九州市・小倉の老舗キャバレー閉店を取材した1995年、ホステスさんが「昔はとことん飲むお客さんが多かったが、今はしらふで来てほろ酔いで帰る。みんなお利口さんになった」と話した言葉から取った。「ほどほど」「無難」を特徴とする、負け組になりたくない人たちの処世術が「お利口さん」だと思う。自己責任は本来、挑戦する時に使う前向きな言葉だったが、他者の失敗などを責める言葉に変質した。規制緩和で民間の競争に任せる分野を広げる新自由主義の定着が背景にあり、元々のおおらかな意味を離れた。これも「お利口さん社会」の一断面だ。 (坂本公司)

2021年(令和3年)03月19日

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