福岡553回「日韓関係の修復を」/姜尚中氏が講演
西日本政経懇話会の福岡例会が10日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、東京大名誉教授で熊本県立劇場館長の姜尚中氏が「激動する東アジアと日本の選択」と題して講演した。
北朝鮮は今月に入り、飛(ひ)翔(しょう)体を相次ぎ発射。米政府は一部を弾道ミサイルと断定した。姜氏は、東アジア情勢が緊張激化の恐れをはらんでいることを踏まえ「北朝鮮は相当抑制的にギリギリのところで、米国がどう動くかを見ている」と指摘した。
一方、今回の発射によって米朝関係の枠組みが壊れることはないとして「条件が整えば、年内にもう一度米朝首脳会談が行われる可能性もある」との見方を示した。
徴用工を巡る問題などで冷え込む日韓関係については「最悪な状況だが、日韓は一番重要なパートナー。このままの状態が続くことでプラスになることは何一つない」と強調。日米関係を重視しすぎることにはリスクがあるとして「日韓関係を修復し、米中との関係をどうやって律していくかのビジョンと戦略を持たないといけない」と述べた。 (金沢皓介)
2019年05月11日