北九州516回 日米関係、変化に備えよ/西日本政懇で会田氏が講演
西日本政経懇話会の1月例会が18日、小倉北区のホテルであり、米国政治に詳しい青山学院大教授で共同通信社客員論説委員の会田弘継氏が「トランプ大統領と日米関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
米大統領就任が間近に迫ったトランプ氏。日本に対する米軍駐留費の負担増要求や、環太平洋連携協定(TPP)からの脱退発言などにより、日米関係の行く先は見通せなくなった。
労働者階級から支持を集めたトランプ氏は国内の雇用を重視する。保護主義的な路線は自由貿易で成長してきた各国に悪影響を及ぼしかねず、日本も混乱や変化への備えが必要だ。米国抜きのTPP発効は難しく、新しい通商戦略は必須。独自の防衛構想を練り、インドやフィリピンなどとの連携も密にしたい。
トランプ氏を当選に導いた労働者の政府不信は、米国内の貧困率上昇や学歴による所得格差の拡大、移民への不満が背景だ。欧州各国も同じ課題を抱える。先進国は一緒に対応を探っていくべきだ。