西日本政経懇話会

北九州第568回 「改憲論議の本格化も」共同通信・山根政治部長

西日本政経懇話会12月例会が23日、小倉北区のホテルであり、共同通信社の山根士郎政治部長が「岸田政権の行方」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

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 岸田文雄首相は「説明不足」「理念がない」と批判された菅政権を観察し、「聞く力」「新しい資本主義」といったキャッチーな言葉でソフトな印象を醸し出している。折り合いが悪かった菅氏を、報道陣が待機する官邸の玄関で出迎えてコロナワクチンの接種推進に礼を述べるなど、政権運営でしたたかな面もある。

 最大の課題は経済再生とコロナの感染抑制だ。相反するテーマなので引き続き難しいさじ加減を求められる。20日に成立した本年度補正予算は過去最大規模。来年1~3月期の国内総生産(GDP)が発表される同5月にその効果として良い数字が出れば「岸田政権下で経済が持ち直した」と掲げて来夏の参院選に臨む考えだ。参院選までは痛みを伴うような政策は出てこない。
 参院選後は衆院を解散しない限り、3年間、国政選挙がなく腰を据えて政策課題に取り組むことができる。先日、首相は参院選で改憲が争点になるとの考えを示した。国政選挙のない3年間で、自身の政治的遺産をつくるため改憲論議を進める可能性は十分にある。 (鶴加寿子)

2021年(令和3年)12月24日

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