筑豊 496回 「財政健全化計画に注目」/土居慶大教授/西日本政懇/飯塚市
西日本政経懇話会1月例会が28日、飯塚市のパドドゥ・ル・コトブキであり、慶応大経済学部教授の土居丈朗氏(財政学)が「2015年の経済・財政展望~消費増税先送りで経済、財政はどうなる?」と題して講演した。要旨は次の通り。
今年の世界経済は、米国だけは景気がよくインフレも心配される。日本や欧州はそこそこで中国の経済成長も鈍化。円安ドル高がさらに進むかもしれない。
日本のデフレは深刻化しないが、政府が目指すインフレも予見できない。物価の動きは一進一退だろう。
2015年度の政府の一般会計予算案では、社会保障関係費が32・7%、国債費が24・3%に上る。政府は20年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化という財政健全化目標を掲げ、今年の夏に具体的計画を策定する方針だ。
政府は消費税率14%への増税を1年半先送りした。財政健全化はその分、遠のいた。年度に黒字化するには消費税を%にするか、社会保障費を1割削ることが必要だ。その合わせ技でもよい。今年夏に出る具体的計画で、この内容が盛り込まれていなかったら、財政健全化はできないと思ってもらってよい。
=2015/1/29西日本新聞=