西日本政経懇話会

筑豊第560回 「高値株価は根拠あり」/金融情報会社副社長・高見氏が講演

高見信三.jpg西日本政経懇話会1月例会が20日、飯塚市であり、金融情報サービス会社「QUICK」の代表取締役副社長COO(最高執行責任者)の高見信三氏が「2021年の日本経済と株式市場」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、昨年の国内総生産(GDP)は、中国を除いて世界各国が軒並みマイナス成長となる見通しだ。それにもかかわらず、日経平均株価や米ダウ平均株価は昨春のコロナ発生初期の急落を既に埋め戻した上、さらに上昇している。日経平均はドル換算なら史上最高値に達した。この状況を実体からかけ離れたバブルだと言う人がいるが、そうは決めつけられない根拠がある。
 今回は08年のリーマン・ショックのように、信用力が低い人向けの住宅ローン「サブプライムローン」の焦げ付き問題といった背景がなく、金融システムは傷んでいない。世界的な低金利と金融緩和が常態化し、市場への資金供給は十分。それらを見た上で、投資家は2~3年後までに企業業績が回復、成長に転じると期待し「今のうちに買おう」と投資している。
 投資には当然リスクはある。だが銘柄や時期を分散させて買うことで「リスクと正しく向き合う」のが賢明だ。 (坂本公司)

2021年(令和3年)01月21日

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