福岡 504回 「成長戦略 具体性ない」/新保東海大教授が講演
西日本政経懇話会の1月例会が29日、福岡市・天神であり、東海大の新保恵志教授が「アベノミクスを再考する」のテーマで講演した。
新保教授は、アベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略について「安倍政権が掲げる内容は具体的な動きがないものばかり」と批判。今後、国会審議が本格化する2015年度予算案についても「大借金を抱えていながら新幹線の事業費など公共工事はまだ多い。政府も楽観はしていないと思うが、財政再建に本気で取り組んでいるのか疑問だ」と述べた。
今後の見通しについては「このままでは政府が掲げる経済成長率の目標を達成するのは難しい」とした上で「消費の向上が経済成長の鍵になる。給料水準が低い非正規雇用の労働者の賃金を上げるのが効果的」と話した。懇話会の福岡市での例会は1970年に始まり、今回で500回目だった。
=2015/1/30 西日本新聞=