西日本政経懇話会

久留米515回 「TPP発効ほぼない」/東京財団理事、加藤氏講演

e0136a6b83b2d748fd79c3cdff05b52f7b9b8416.jpg 西日本政経懇話会の11月例会が15日、久留米市であり、東京財団研究理事で国際大教授の加藤創太氏=写真=が「米国大統領選後の政治経済の動き」と題して講演した。要旨は次の通り。

 トランプ氏が当選し、世界で民主主義の危機といわれている。根本的に資本主義と民主主義は相いれないのではないか。経済は国境を越えるが、民主主義は一国で決める。民主主義がグローバル化に歯向かうと、反グローバリズムが勝つ。

 米大統領選では、選挙前半年の経済が良ければ与党、悪ければ野党が勝ってきた。今回も同じ論理で決まった。トランプ氏は、ビジネスの大成功者。国家を企業と捉え、利益の最大化を考える。輸出は熱心だが、輸入は消極的。日本にとっては脅威となる。オバマ氏と比べ環境や人権の重要度は低い。世界的な環境対策の動きは鈍るだろう。

 日本への影響はかなりある。環太平洋連携協定(TPP)の発効はほぼない。政治経験が全くないので、情報を把握すれば、言ってきたことがかなり変わるのではないか。全部真に受けない方がいい。米軍駐留費を払えというのも、交渉術と考えた方がいい。 (片岡寛)

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