筑豊第552回大河の時代考証、小和田氏講演 西日本政懇 「光秀は部下思い」
西日本政経懇話会1月例会が31日、飯塚市であり、静岡大名誉教授で、NHKの大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の時代考証を担当する小和田哲男氏が「戦国武将の経営戦略~明智光秀の実像」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
光秀は謀反人で、情報は証拠隠滅で消されたために実像が伝わっておらず、出生地や生まれた年などに諸説ある。比叡山延暦寺の焼き打ちで功績を残し、織田信長から坂本城主に指名された。一国一城の主は織田家臣の中では第1号。丹波の平定も成し遂げた。
光秀に関して約180通の手紙があるが、多くが家臣へのお見舞いの内容だっただけでなく、戦死者に供養米を送るなど「部下思い」が経営戦略だったと言える。
本能寺の変にも諸説あるが、私の考えは「暴君討伐説」に近い。信長は下の意見は聞かず、少し口答えされると猛烈にたたく。家臣を下に見ている信長と心優しい光秀。思いの違いが本能寺の変の引き金になったのではないか。今まで光秀は悪のイメージだが、今年の大河ではこれまでと違う戦国史が見えたらいいと思う。 (丸田みずほ)
2020年(令和2年)02月01日(土)