西日本政経懇話会

福岡第584回 参院選 勝ち方次第で長期政権も/ 政策研究大学院大、竹中教授講演

 西日本政経懇話会の6月例会が8日、福岡市中央区のホテルであり、政策研究大学院大

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竹中治堅教授(日本政治)が「日本政治の構造変化と岸田文雄政権の課題」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 一つの選挙区で複数の候補が当選する中選挙区制の時代は、自民党の議員同士が激しく争い、派閥の力が強かった。変わったきっかけは、1996年の衆院選で初めて実施された小選挙区比例代表並立制。1人しか当選できない小選挙区は政党同士の戦いになり、派閥が所属議員の公認を首相(党総裁)にお願いする形になった。
 安倍晋三元首相に公認権について尋ねる機会があり、安倍さんは「僕は一度も使わなかったが、皆は使うかもしれないと思っていた」と言った。そう思わせることが力になる。
 岸田政権は支持率が高い。ワクチン接種が順調に進んで日常が戻った。コロナ対策の評価だ。看板政策の「新しい資本主義」は、重視する半導体や蓄電池など科学技術の整備に時間がかかる。国民に分かりやすく説明することが課題だ。
 夏の参院選は自民党の勝ち方に注目したい。岸田首相が長期政権を築けるかどうかは勝ち方にかかっている。
 (金子晋輔)

2022年(令和4年)06月09日

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