西日本政経懇話会

久留米第602回 「全ての人が生きやすい社会を」/クレシーニ・アンさんが講演

久留米 アンちゃん.jpg 西日本政経懇話会の1月例会が22日、久留米市であり、北九州市立大准教授で、本紙くらし面でコラム「アンちゃんの日本GO!」を連載中のクレシーニ・アンさん=写真=が「日本人になったアンちゃんが考える『多様性』」と題して講演した。要旨は次の通り。
 1997年に初来日し、一番の問題は日本語だった。日本で使われる和製英語は英語圏では通じない。英語が母語の私も以前は和製英語を見下していた。しかし、和製英語は英語ではなく、日本語だと考えると衝撃的だった。発音しやすく、イメージも湧きやすい、魅力ある日本語だと思うようになり、日本の文化を見直すきっかけになった。
 相手を尊重し、理解しようとする心が大切だ。アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は理解の障壁となり、誰もが持っているがなかなか気づかない。違いを認めることが多様性だが、見た目で判断しがちだ。悪気がなくても気をつけないといけない。
 2023年に日本国籍を取得後、多様性に関する投稿をすると、交流サイト(SNS)で誹謗(ひぼう)中傷を受けた。深く傷ついたが、学びもあった。日本の良さが壊されると誤解し、多様性は必要ないと思っている人もいる。私は日本の良さを生かす多様性を望んでいる。全ての人が生きやすい社会をつくりたいと思っている。 (岡部由佳里)

2025年(令和7年)01月23日(木)

これまでの記事一覧