北九州第547回 「禅譲後、再登板も」/御厨貴氏、安倍未政権語る
西日本政経懇話会10月例会が9日、小倉北区のホテルであり、東京大名誉教授の御厨貴氏が「平成30年をふり返る-令和の未来をながめつつ」と題して講演した=写真。要旨は以下の通り。
平成の政治は小選挙区制、二大政党制、政権交代が機能せず、政治改革は失敗した。今は自民1強体制。安倍晋三首相は11月に歴代最長の在任日数となる。とにかく選挙に強い。スキャンダルなどは起きるが、選挙で一挙に解決してきた。
今、菅義偉官房長官との関係が微妙な変化を遂げている感じがする。首相より情報が集まる自分(菅氏)がなぜ首相でないのか。可能性があればかけてみたい気はある。それを安倍さんがどう見るかは分からない。
安倍さんは不思議なことに後継者をつくらないが、地位に恋々としているわけでもない。これは私の仮説だが、安倍さんが憲法改正に本気で力を注ぐのであれば、どこかの段階で誰かに禅譲するなりして首相を辞める可能性がある。禅譲した政権がうまくいかない。するともう一回安倍さんコールが起きる。そこで野党を含めた挙国一致の「憲法改正内閣」として第3次安倍政権発足の可能性がある。 (白波宏野)
2019年10月10日