北九州513回 日中関係、冷静に捉えて/西日本政懇で興梠氏
西日本政経懇話会の10月例会が18日、小倉北区のホテルであり、神田外語大の興梠一郎教授が「いま中国で何が起きているのか?~習近平体制と日中関係のゆくえ」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
習近平国家主席は敵対派閥の排除を進め、党も軍も身内で固めつつある。ただ、中央の政治経験のない人物を国の中枢に据えるので、政策が前に進まない。
結果、景気は上向かず、国内では民衆が声を上げ始めている。若者はインターネットでつながり、デモを相次いで起こしている。習氏に批判的なメディアも出てきたし、今月には元軍人が国防省前に集まるという驚くべき事態も発生した。
国内で不満が高まると、指導者は権威を示すため外で戦う姿勢を見せる。日中関係も緊張が続いている。しかし、日本は観光地として中国人から人気が高く、日本のドラマやアニメも好評。主要な貿易相手国でもある。反中意識も高まっているが冷静さを失わず、個人レベルで親日派を増やし、中国世論を変え、東アジアの平和を導くことが必要だ。 (諏訪部真)