久留米533回 「習近平1強で副作用も」/神田外語大、興梠教授が講演
西日本政経懇話会の6月例会が7日、久留米市であり、神田外語大教授の興梠一郎氏が「習近平『1強』体制の中国」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
国家主席の任期撤廃で以前とは異質な国家体制になった。これまでは独裁であっても10年で指導者が交代する安定感があったが、権力が1人に集中し、5年後の想像がつかない。中国政治は1強で安定したのではなく、将来的な不可測性が高まった。彼の健康状態と人柄、能力に13~14億人の運命がかかっている。
政治の在り方が変わると経済や外交にも影響が出る。その一つが貿易。国内で過剰生産した鉄鋼やアルミをダンピングで輸出し、国内問題を外国で解決しようとしている。知的財産権や技術移転を強要する問題では欧米の対応が急に厳しくなり、海洋進出への懸念も広がる。1強体制の副作用だと思う。
2018年6月8日