西日本政経懇話会

北九州第553回 北朝鮮「冷静に認識を」 礒崎慶大准教授講演

IP200825JAA000256000_02.jpg西日本政経懇話会の8月例会が25日、小倉北区のホテルであり、慶応大の礒崎敦仁准教授(北朝鮮政治)が「北朝鮮情勢を読み解く」と題し、講演した=写真。要旨は次の通り。
 北朝鮮は来月、建国72年を迎える。旧ソ連は建国69年の1991年に崩壊した。日本では「北朝鮮は崩壊する」との論調が続いてきたが、ソ連より長く国が続いている事実を冷静に認識しなければならない。
 北朝鮮の核開発は米国への抑止力に加え、国威発揚と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の権威付けという意味合いがある。米国との非核化交渉は決裂したが、日本にとって、核以外にも短距離、中距離ミサイルという脅威があることを忘れてはならない。
 「世界から孤立する北朝鮮」と報道でよく耳にするが、国連加盟の193カ国のうち北朝鮮と国交がある国は約160。拉致問題やミサイル発射のたびに日本は激怒しているが、多くの国はその気持ちを共有できないのが現状だ。
 北朝鮮が拉致を認め、謝罪した日朝首脳会談から来月で18年となる。今、水面下の交渉はできているだろうか。総理の専権事項だけに、もっと向き合ってほしい。 (岩谷瞬)

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