西日本政経懇話会

福岡第587回 韓国内の分断克服が必要/静岡県立大大学院の奥薗教授が講演

西日本政経懇話会10月例会が7日、福岡市であり、静岡県立大大学院の奥薗秀樹教授(現代韓国政治外交)が「韓国政治のダイナミズムと尹錫悦(ユンソンニョル)政権―日韓

係打開の可能性」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。福岡 奥薗秀樹.jpg 韓国政治はダイナミックに動くことで分裂や葛藤を繰り返してきた。これまでは保守と進歩(革新)の理念や出身地域の対立だったが、今日では世代やジェンダーの対立が大きな意味を持っている。
 尹政権は少数与党で、野党が反対すれば何もできない。30代の与党代表を追い出したことで若者の支持が離れ、非常に苦しい状態だ。尹大統領は8月に「日本は自由を脅かす挑戦に立ち向かい、力を合わせるべき隣人だ」と演説。対立する進歩勢力も取り込む形で新しい歴史観を示した。
 韓国内の分断が克服されないと外交はうまくいかない。金大中(キムデジュン)元大統領は保守勢力を取り込んだからこそ史上最高と言われる日韓関係を築けたのではないか。
 日本側にも問題はある。尹大統領のラブコールに岸田政権が十分に応えているとは言えない。日本国内で岸田カラーを出す外交ができる環境が整うのか、見ていく必要がある。 (前田絵)

2022年(令和4年)10月08日

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