福岡第610回 経済格差が動かす政治/米大統領選/共同通信社客員論説委員の会田氏
西日本政経懇話会の11月例会が13日、福岡市であり、共同通信社客員論説委員の会田弘継氏が「トランプ現象はどうなるか~米大統領選後の日米関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
米大統領選で再び共和党のトランプ氏が選出された。大接戦と言われたが、トランプ氏の圧勝に近い。最先端技術を駆使した世論調査分析を全てぶち壊した。
労働者の党だった民主党が大企業と結託し、資本家の党だった共和党が労働者側になるという一種の逆転現象が起きている。
「トランプ氏が原因で民主主義が壊れた」と言われるが、民主主義がすでに壊れているからトランプ氏が出てきた。
世界不平等データベースによると、米国では上位1%の富裕層が全国民の個人資産総計の4割近くを持っている。冷戦以降、すさまじい格差になったのは、クリントン時代であり、オバマ時代だ。格差問題はあらゆる政治の底で動いている。だからトランプ氏が勝ってしまう。
日本も同じ問題を足元で抱えている。激しい格差社会をいかに解消するか。日本は米国や欧州と一緒に考えていかなければならない。 (前田絵)
2024年(令和6年)11月14日(木)