西日本政経懇話会

北九州第548回英は1月末離脱「来年末に次の崖」田中理氏講演

西日本政経懇話会11月例会が7日、小倉北区のホテルであ北九州 田中.jpgり、第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミストの田中理氏が「英国のEU離脱問題~今後のシナリオと日本への影響」と題して講演した=写真。要旨は以下の通り。
 英国の欧州連合(EU)離脱問題の日本に対する直接的影響はそれほど大きくないが、脆弱(ぜいじゃく)な日本経済の環境を考えれば、世界金融市場が動揺すると、決して安心していられない。
 英国では世論の分断が続き、離脱期限は3度延期された。12月の総選挙が不透明要素だが、基本的には与党保守党の勝利というシナリオが一番現実的で、国境管理手法を変更したジョンソン首相の離脱案で来年1月末に離脱する可能性が高いと私は思っている。
 しかし、それで終わりではない。離脱延期を繰り返したことで、当初は21カ月あった移行期間が来年末までの11カ月となる。英国が貿易上の特権を維持するには、多くの自由貿易協定を結ぶ必要があるが、そんなに簡単ではない。一方、移行期間の延長には英国内から反対が出てくるだろう。来年末にかけて、もう一つの崖が見えてくるだろう。

2019年(令和元年)11月08日(金)

これまでの記事一覧