西日本政経懇話会

北九州第610回 Z世代は「就職先選びもタイパ重視」 西日本政懇 稲田氏講演

北九州 稲田.jpg 西日本政経懇話会の10月例会が17日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、コラムニストで編集者の稲田豊史氏が「タイパ化する社会とZ世代の消費動向」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 Z世代の間では、ドラマや映画、大学の講義を倍速で視聴するのが一般化している。長いものが苦手というよりは、「セリフのない部分は見る必要がない」など「タイパ(タイムパフォーマンス)」思考が強い。
 Z世代は仕事にもタイパを求める。日本経済が停滞している時期に育ち、「効率的に成長しなければ置いていかれる」という強い焦りがあるため、成長の機会が少ない会社を好まない。高学歴の学生ほど大企業や官僚を目指さず、責任ある仕事に早い段階から挑戦できて転職にも有利なコンサルティング会社を志望する傾向にある。
 地方は就職できたとしても、その後の転職やキャリアアップが難しく、都市に比べて仕事の選択肢が少ない。自治体が、スタートアップ企業への就職あっせんやIT企業の誘致、女性の賃金格差の解消など、キャリアを諦めなくても良い仕組みを整備すれば、効率重視のZ世代が地方に魅力を感じ、都市への流出に歯止めをかけることができるのではないか。 (壇知里)

2025年(令和7年)10月19日(日)

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