北九州520回「最低限の攻撃力必要」/北朝鮮への対応で道下氏 政懇5月例会
西日本政経懇話会の北九州例会が17日、小倉北区のホテルであり、政策研究大学院大の道下徳成教授が「北朝鮮の核・ミサイル開発と今後の日本の対応」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
核施設の運転状況などから、北朝鮮は核兵器13~30個分の核物質を持ち、約200発のミサイルを各地に配備していると推測されている。北朝鮮は核弾頭の生産にも成功したとしており、日本を核攻撃できる可能性はかなり高い。
北朝鮮が核やミサイルの開発を推進するのは、米韓による攻撃を抑止したり、朝鮮半島有事の際に日米の韓国支援を妨げたりするためだ。軍事力を背景に日米と国交を結び、経済支援を引き出したい考えもある。
日本はイージス艦に搭載する「SM3」や地上配備の「PAC3」など、ミサイル防衛システムを整えている。加えて最低限の敵基地攻撃能力を保持し、安全保障上の効果を得るべきだ。日本が北朝鮮から攻撃を受けた場合、米韓が報復するかは不透明。日本独自の反撃を北朝鮮に懸念させることで、動きを封じることができる。2017年05月18日